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2023/03/03

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第87回  出生率7年連続低下の韓国  ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第87回  出生率7年連続低下の韓国  ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆未婚率や晩婚率改善へ安定雇用と賃上げ必要◆

 韓国の2022年の合計特殊出生率(以下、出生率)は0・78(暫定値)と、21年の0・81を下回り過去最低を更新した。日本の1・30(21年)やOECD平均1・59(20年)を大きく下回る数値だ。韓国の国会立法調査処は、14年8月に出生率が13年の出生率1・19のままで少子化が改善されない場合、「韓国は2750年には消滅する」という推計結果を発表した。しかし、状況はより深刻になった。韓国の出生率は16年(1・17)から7年連続で低下している。

 一方、22年の死亡者数は37万2800人で前年の31万7700人より17・4%増加した。出生数と死亡数の差である人口の自然減は、12万3800人(前年5万7300人)で3年連続の減少となった。

 韓国における少子化の原因は、若者がおかれている状況が良くないこと、若者の結婚及び出産に関する意識が変化したこと、育児政策が子育て世代に偏っていること、男女差別がまだ残存していること等が挙げられる。


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