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2023/09/01

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第93回  韓国が日本の少子化対策から学ぶところは?   ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

  • ◆財源の確保と意識改革が必要◆

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆財源の確保と意識改革が必要◆

 韓国と同じく日本でも合計特殊出生率(以下、出生率)の低下が止まらない。2022年の日本の出生率は1・26となり、過去最低だった05年に並ぶ過去最低の水準となった。韓国の0・78よりは高いが、OECD平均1・58(20年)を大きく下回る数値だ。

 日本の少子化の原因としては、未婚化や晩婚化の進展、若者の結婚及び出産に関する意識が変化していること、育児に対する経済的負担が大きいこと、依然として男女別賃金格差が存在していること、育児や家事に対する女性の負担が大きいこと、育児政策が子育て世代に偏っていること、結婚に対する経済的負担が大きいこと、社会保障制度や税制において二人の親とその子どもで構成される家族以外の同性婚や事実婚など家族の多様性が前提となっておらず、十分な恩恵が受けられないこと等が挙げられる。


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