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2021/02/19

<韓国文化>ソウルの魅力を多角的に描写

  • ◆「ソウル25区=東京23区」を出版して 吉村 剛史さん(ライター・メディア制作業)◆

    よしむら・たけし
    1986年東京生まれ。ライター・メディア制作業。法政大学社会学部メディア社会学科卒。インターネット上では「トム・ハングル」の名で韓国情報を伝えている。

  • ◆「ソウル25区=東京23区」を出版して 吉村 剛史さん(ライター・メディア制作業)◆

    ソウル梨泰院のメインストリート

  • ◆「ソウル25区=東京23区」を出版して 吉村 剛史さん(ライター・メディア制作業)◆

    旧ソウル駅


◆「ソウル25区=東京23区」を出版して 吉村 剛史さん(ライター・メディア制作業)◆

 既存のガイドブックが扱わないソウルの住宅街・ベッドタウン・下町・スラム街・外国人街・工場地帯などの雰囲気や特徴を、日本の東京と比較しつつ興味深く紹介した「ソウル25区=東京23区」(吉村剛史著、パブリブ、四六判、384㌻、2300円+税)が出版された。吉村さんに自著について寄稿をお願いした。

 2010年頃からトム・ハングルという愛称で韓国旅行や地域の情報を発信してきたが、初の書籍を執筆するにあたりテーマに悩んでいた。あるとき「ソウルには25区ある」とパブリブ代表兼編集者の濱崎誉史朗氏に伝えたところ、「東京23区と競っているようだ」と話したことによる。

 全く異なる都市をなぞらえて解説する企画に対して、無理難題を与えられたと思ったが、ソウルを知らない人にも関心を持ってもらえるならと思い、筆を執った。

 実際に韓国を歩いていると日本と雰囲気が似ているところも多く、どちらの国にいるかを忘れてしまうような既視感を覚えることは時々ある。過去の歴史もあり、日本人が設計に携わった旧ソウル駅や旧朝鮮銀行本店などの近代建築は、東京を彷彿とさせる。

 執筆にあたって統計データをダウンロードしてみると、ソウル市と東京23区の面積、人口がほぼ同じだったことは大きな発見だった。それぞれの区のイメージは比較的早い段階で固まったが、詳しく知らなかった地域はできる限り歩いて、街の雰囲気をつかみ、写真も豊富に使用した。実際に歴史が異なる両都市の細部まで例えて説明するのは困難を要したが、それなりに納得いく説明になっているはずだ。


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