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2001/02/23

<随筆>◇「情報ハイウェイ」の整備◇

 先日、早稲田大学の客員として日本の行政を研究している韓国人の友人を訪ねて驚いた。

 彼は居間と子供部屋に置かれたパソコンを使って、子供たちとのコミュニケーションを図っており、画面に映った相手の顔を見ながら、同時に会話をしたり、同じ画面に双方向で文章を表示したりしていた。家庭でテレビ電話を楽しんでいるのである。

 来年、彼は韓国に帰るが、長女は日本で勉強を続け、次女は米国に留学するそうで、家族が離ればなれになる。しかし、このシステムを使えば、韓日米を結んでいつでも会話ができ、寂しさも薄れ、心配ないと彼は話す。

 さぞや通信費がかかるのではと尋ねると、「国際電話料金はタダ」という答が返ってきた。インターネット電話は、プロバイダーとの契約料と接続料(市内電話)だけですむ。いまも、韓国や米国の親戚や友人にひんぱんに連絡をとっているが、電話代を気にせずに話せるという。韓国社会ではインターネット電話が普及し、日本の韓国人社会でも常識になっているとのことだ。

 韓国は「情報ハイウェイ」構想を早々と打ち出し、今月初めに全国を光ケーブルで結ぶ超高速情報通信網の構築を完了した。これによって、IT革命が全国民に波及し、ネットでの行政処理や教育が可能になる。日本はまだISDNどまりだ。

 今後の韓日交流活性化にはデジタル社会に対応した「情報ハイウェイ」が不可欠となる。今後、日本には同分野の早急な整備が求められよう。(N)