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2022/01/14

<随筆>◇私の夢はかなったのだろうか◇呉 文子さん

 友人から「鳳仙花」のバックナンバーが欲しいと連絡があり、書棚のあちこちを探していると、横積みになっている「朝鮮女性史読書会」の黄変した通信が目に飛び込んできた。1985年発行の創刊号である。40代の頃の自分に出会ったようで懐かしさがこみ上げてきた。

 巻頭言には山下英愛(現文教大学教授)さんが、「在日」を問うということは、即ちこれまでの女性の生き方を問うことである。また現実と向き合う上でその照射となるべき朝鮮女性の歴史を学び、そこから教訓を汲み取る作業を…と高らかにうたっている。そして私の文へと続く。

 「ブーゲンビリアの美しく咲き乱れるナイロビで、国連婦人年の10年を締めくくる世界婦人会議がまもなく開かれようとしている」との書き出しから始まり、家父長制がいまだ生きていて、女性が差別されて当然な社会風土、社会通念にもかかわらず女性の目覚ましい社会進出があり、仕事場を社会に求めても偏見をもたれない時代になりつつある、などと韓国の女性たちのめざましい活躍ぶりに驚いている様子が文面から感じとれる。


つづきは本紙へ