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2016/07/08

<Korea Watch>製造業の海外依存度高まる

◆現代経済研が報告書、国内企業の産業空洞化を分析◆

 国内製造業が国内総生産(GDP)に占める割合は大きく上昇したのに対し、付加価値の増加が鈍化し、経済成長への寄与度は急速に下落するなど、製造業を中心とした産業空洞化への懸念が現実化しているという指摘がなされた。特に本格化している産業構造調整などの影響で今後の産業空洞化が急速に進む可能性が高く、中長期的な対応が急がれる。

 現代経済研究院は、報告書「国内産業空洞化、どこまで来たのか?」を発表し、このように指摘した。国内製造業のGDP比の割合は、1960年代に5・9%から2010年代に入って28・5%と大きく高まった一方、付加価値の増加率は、70年代に18・0%まで上昇した後、最近では5・2%まで鈍化した。これにより、同じ経済成長への寄与度は3・5%から1・4%に2・1%下落した。特に今後は産業構造調整などの進展により、製造業部門の成長寄与度が悪化する恐れも常に存在する。本稿では、製造業を中心に、国内の産業空洞化の実態を調べた後、国内産業の活力向上のための政策を提示する。

 国内製造業の空洞化現象を調べるために、製造業の活力(成長性、収益性、投資)、製造業の海外依存度(投資、生産、貿易)、製造業の産業関連効果(生産と付加価値誘発効果、輸入誘発効果と輸入依存度)の3部門における推移を比較した結果は次の通り。

 製造業の活力は、製造業の成長性を示す総出荷額、生産額、付加価値の増加ペースが鈍化する中、全体の生産額に占める付加価値の割合は縮小し続けている。国内製造業の生産額と総出荷額の増加率は、12年に1%台前後のレベルまで下落した後、13年からはマイナス水準にとどまっている。付加価値の増加も11年以降大幅に鈍化し、12年に0・1%、13年0・3%減、14年1・1%と不振が継続している。

 一方、国内製造業の生産額に比べ付加価値の割合は、14年が32・5%で、00年の38・4%に比べ縮小した半面、生産費の割合は同期間に61・6%から67・5%に上昇した。また、製造業の売上高純利益率や営業利益率の下落が続くなど、収益性も悪化している。

 製造業の売上高営業利益率は、10年の6・7%から14年には4・2%と2・5%下落し、同期間の売上高純利益率も5・7%から3・3%に下落した。製造業の投資も資産増加率が急速に低下するなど弱体化している。国内製造業の資産増加率は、10年の11・2%以来、下落が続いているが、14年には3・2%と10年比で8・0%下落した。


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