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2017/03/10

<Korea Watch>付加価値創出が韓日中で最低

◆現代研究所が報告書、北東アジア供給網の変化を分析◆

 現代経済研究院は報告書「北東アジアのサプライチェーンの変化と示唆点」を発表し、「韓国の付加価値創出能力は韓日中3カ国の中で最も低い」と指摘した。それによると、近年、既存の「日本→韓国→中国」とつながる北東アジアの技術分業構造の崩壊速度が速まっているという。特に中国の製造業技術が向上し、韓国や日本製品への依存度が減り、また東南アジア諸国の製造業技術の向上により、ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とするFTA締結などの影響で、北東アジアの連携、協力が弱まっている。これにより、韓国の中長期的な産業構造の高度化ロードマップは、国内レベルを超え、変化を続ける北東アジア分業関係の中で模索する必要がある。

 韓日中3カ国のサプライチェーンの変化を調べるために域内相互輸出、中間材投入、生産誘発関係、ならびに付加価値誘発関係などを調べてみた。特に分業構造が複雑で、組立や生産、輸出などのプロセスが絡んでいる国際間取引をより現実的に分析するためには、国家間の付加価値貿易を調べる必要がある。

 北東アジア3カ国間の貿易規模は通関ベースよりも大きく表れ、中日間取引の比重が最も大きい。付加価値基準で北東アジア域内貿易の規模は、2000年の1546億㌦から14年は6735億㌦と年平均11・1%の急成長を遂げた。特に、同期間の韓国と中国間の貿易拡大の速度が平均17・2%と最も速い。

 04年以来、域内貿易での中国の比重が日本を追い越し、特に10年からは域内貿易での日本の規模縮小と中国の規模拡大がより鮮明になった。中国を中心とした域内貿易の割合は、00年の63%から14年には85%と大幅に増加した。

 北東アジア域内で製造を担当している中国の中間財投入率が3カ国の中で最も高いが、これは中国の自国産中間財の投入割合が着実に拡大し、「脱輸入化」が行われるからである。00~14年の間に中国の中間財投入率は62・8%から67・2%に4・4%増加した。同期間、韓国は54・9%から59・9%に増加し、日本は46・4%から48・2%に増加した。中国の中間財需要で自国産の投入割合は04年から上昇傾向を見せ、14年には62・9%を記録するなど、中間材の国産化が急速に進んだ。

 一方、域内輸入(韓国産、日本産)の割合は、04年に1・6%を記録した後、徐々に減少し、14年には0・6%にとどまり、中間財の「脱域内輸入化」が進められている。

 一方、韓国は、域内輸入割合が3%台と最も高く、日本も徐々に増加傾向を見せ、14年に1・1%を記録した。


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