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2019/04/19

<Korea Watch>お一人様向け市場が活性化

◆単身世帯の急増で「ホーム族」台頭◆

 統計庁の2017年の人口総調査資料によると、韓国の単身世帯は561万8677世帯で、全世帯数の28・6%に達した。こうした単身世帯をターゲットにした、お一人様向け市場が活性化している。

 単身世帯の増加でネット通販、ユーチューブなどのホームメディア市場の成長などに支えられ、家の中を中心にほとんどの経済活動が行われ、全てを家の中で解決する「ホームエコノミー」が普及した。また、スマートフォンやパソコンさえあればインターネットに接続して何でも家まで配達してくれる上、他人との関係に不必要な投資を最小限に抑えたい世代の価値観が反映された新たな生活スタイルと分析され「ホーム族」と呼ばれる。

 求人サイトのジョブコリアが成人男女1625人を対象にアンケートを実施した結果、「自分をホーム族と思うか」との質問に、全体の58・6%が「はい」と答えた。ホーム族の割合は、特に20~30代が多いことが分かった。20代(68・5%)と30代(62%)は、それぞれ60%以上がホーム族と自覚しているのに対し、40代以上のグループでは29・6%にとどまった。

 自宅での主な活動内容は、映画、ドラマ、テレビ、インターネットショッピング、読書などの順で多かった。回答者の75%が「今後ホーム族が増える」と予想した。ホーム族の高い利用率を誇る配信アプリやネットフリックスなどの成長が注目に値する。

 2016年1月、韓国に初上陸したネットフリックスは、初期には反応が無かったが、昨年以降は急速に利用者が拡大している。調査会社ニールセンコリアによると、今年2月末現在、ネットフリックスのウェブやアプリを通じた純接続者数は240万2000人で、前年同期(48万5000人)に比べ5倍近く上昇した。同期間の平均視聴時間も125分から306分に約2・5倍に増えた。また、公正取引委員会の資料によると、配信アプリ市場も2013年の利用者数87万人から昨年は2500万人へと5年で30倍近く急増、3兆㌆市場に急拡大した。こうした状況を受け、ネット通販業界では、ホーム族関連商品が飛ぶように売れている。

 外食ではなく、自宅で手軽に飲食を楽しむ家飲み市場も急成長している。


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