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2021/06/11

<Korea Watch>経済・経営コラム 第83回 脱炭素に向かう日韓、エネ構成の転換㊥                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

◆CO2削減は新産業・事業創出のチャンス◆

 日本は先進国の中では有数の低炭素排出国である。日本を基準にして(指数1・0)、日韓中米のCO2排出量を比較する。先ず国全体の排出量は日(1・0)韓(0・56)中(8・9)米(4・6)で、経済規模(GDP)では日(1・0)韓(0・42)中(4・2)米(3・9)だ。中国の経済規模は日本の4・2倍の大きさだが、その経済単位ドル当たりのCO2排出量は日本の2・1倍(8・9÷4・2)である。石炭の発電効率が低い、発電量当たりのCO2排出量が多い、産業部門の燃料や暖房にも大量の石炭を使うなどがその理由だろう。韓国はもちろん中国ほどではないが、それでも、日本の1・3倍強の経済単位ドル当たりのCO2を排出している。米国のそれは日本の1・2倍弱だ。

 人口一人当たりのCO2排出量では、中国は日本比で0・73、日本の11・1倍の人口の中に、経済の豊かさから置き去りにされた人たちがかなり多くいる。


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