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2005/04/08

<韓国文化>白血病に支援の輪を

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    演劇 「友情」 韓国公演より 撮影・ムトー清次

 白血病の女子中学生を主人公に、骨髄バンク支援を訴えた演劇「友情-秋桜のバラード」が、13日から17日まで東京の天王洲アートスフィアで上演される。制作を担当する劇団絵生(えき)の松田洋明さんに文章を寄せてもらった。

 白血病の治療の副作用で頭髪を失った同級生を励まそうと、クラスメート全員が頭を丸めたという米国の実話が、物語になって日本で紹介された。その物語が東映で三船美佳主演で映画化され、評判を呼んだ。

 主人公を女子中学生島崎あゆみに設定し、淡い恋い物語も取り入れながら、少年達の友情、病気と闘う勇気を描いた。主人公の友人役に在日韓国人の少年も登場させ、日本人と在日韓国人の友情を取り上げている。

 1999年11月11日、東京のシアターVアカサカで始まった舞台「友情」は、地方巡業公演・中日劇場公演(名古屋)・米国、ロサンゼルス公演と幅広い劇場で行うことが出来、反響も大きく、以後、毎年公演を続けて来た。白血病で娘さんを亡くした夫婦が観劇に来て、その後も支援活動を続けてくれている例や、闘病中の人が訪れてくれたこともある。

 世界3大テノールの一人、スペインのホセ・カレーラスも白血病にかかったが、88年に骨髄移植により白血病を克服した。彼はその後、自ら「ホセ・カレーラス国際白血病財団」を設立し、活動を続けているが、そのホセ氏も劇を応援してくれている。

 堂劇では主要登場人物の1人、大学病院の岡野医学部長役を有名人にゲスト出演してもらっているが、石川県金沢市の公演では、森喜朗前首相も特別出演、岡野医学部長約を熱演してくれた。

 2004年9月19日の横浜のにぎわい座公演で記念の300回を迎えた。
 
 骨髄バンク登録を韓日が提携して行っていることや、今年は日韓国交40周年(日韓友情年)ということもあり、韓国観光公社の招聘でソウル公演が決まった。出演する日本の俳優たちは、去年の10月から韓国観光公社の協力を得て韓国語の勉強に励み、日本と韓国の懸け橋になれればとの願いで頑張ってきた。

 2月初めには栃木県矢板市の矢板温泉で1週間の合宿を行い、韓国からは医師役、看護婦役の俳優のほかに、生徒役で4人の学生が参加した。

 2月18、19日の両日、ソウルのCOEXで行われた公演は大盛況となった。特に最終日の公演では、韓国の骨髄バンク関係者や観客から拍手が鳴りやまず、生徒役からプロの役者まで全員泣いた。

 日本からも「友情」韓国公演応援ツアーを組み、ツアー参加者は韓国の若者達との交流を深めることが出来た。なお、ハンナラ党の高興吉議員、朴贊淑議員が、多忙な議員活動の中、岡野医師役として日替わりで出演してくれたことに感謝している。

 今回の韓国公演を含め、3月末までに322回の上演を重ねてきた。
 
 パンフレットの収益や集まった募金を骨髄移植推進財団に寄付しており、今年2月22日現在で4084万5868円になっている。骨髄バンクの登録も増えており、2004年8月末で19万人余りが登録している。同財団では30万人の登録を目指しており、その一助になるべく、今後も公演活動を続けて、骨髄バンクへの理解が深まればと願っている。


◇演劇「友情-秋桜のバラード」◇

日程:4月13日~17日
会場:アートスフィア(東京・天王洲)
主催:同実行委員会
推薦:骨髄移植推進財団、厚生労働省
入場料:一般4,500円、高校生以下1,800円
℡03・5427・1822。