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2011/03/18

<韓国文化>韓哲文化財団助成金授与式、学術・文化など11人

  • 韓哲文化財団助成金授与式、学術・文化など①

    韓哲文化財団第5回助成金授与式(前列㊨が韓昌祐理事長、その左が祥子夫人)

  • 韓哲文化財団助成金授与式、学術・文化など②

 韓哲文化財団(韓昌祐理事長=マルハン会長)の第5回助成金授与式(2010年度)が14日、東京の帝国ホテルで開かれた。学術・文化などの分野から11人に助成金が授与された。

 韓哲文化財団は、韓国文化研究振興財団が前身。それまでは学術・文化研究が中心だったが、芸術・スポーツ・国際交流にも対象を広げ、16歳の時に留学中の米国で事故のため亡くなった韓昌祐理事長の長男・韓哲君の名前を付けて再スタートした。

 韓昌祐理事長は、「きょう3月14日は哲の誕生日。息子は大らかでいつも笑顔の青年だった。そして社会貢献に強い関心を持っていた。彼の出来なかった社会貢献を行いたいと考えて、財団を発足させた。公益法人を申請中で、それが認められたら将来は日本有数の財団に成長させたい」とあいさつした。

 助成金授与式では、韓理事長が11人の助成対象者にそれぞれ助成金を手渡した。

 安栞さんは父が在日で母が日本人。本人は日本国籍だ。「小学校2年生の時にバトントワリングを先輩がやっているのを見て私も始めた。愛知県で行われる全国大会で優勝し、日本代表を目指したい。そしていつか、韓国でバトントワリングを教えたい」と語った。

 古澤義久さんは、「韓半島の土器文化が、東北アジアの中でどう位置付けられ、どう近隣と交流してきたかを研究している。支援金を研究に活用したい」とあいさつ。

 在日3世の姜杏理さんは、「モスクワ音楽院に留学中だが、音楽にすべてをかけるロシアの学生たちに刺激を受けた。私も音楽にすべてを捧げたい」と話した。

 宣元錫さんは、「中国朝鮮族の韓日への移動について研究していく」と語った。

 青木鉄仁さんは、「韓国の戯曲を日本で紹介する活動を今後も行いたい」と述べた。

 詩人尹東柱を記念する立教の会は、地震の影響で代表が出席できず代理出席となった。

 在日4世の河明樹さんは、「在日の思いを民族楽器のソヘグムに託し、世界中に発信したい」と力強く語った。

 有光健さんは、「韓国の関係者と協力して、植民地時代に日本に持ち出された韓国文化財のデータベースを作っていく」と話した。

 下川正晴さんは、「日韓の次世代を担う若者たちが、映画を通して交流を深められるよう尽力したい」と述べた。

 西垣安比古さんは、「茶文化を通した日韓交流を研究したい」と強調。

 川村湊さんは、「韓国映画史の研究と作品収集を通して日韓交流に貢献したい」と述べた。

 授与式に続き行われた祝賀会では東日本大震災の被災者支援のチャリティー演奏会が開催された。