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2014/05/30

<韓国文化>韓流シネマの散歩道 第3回 同情や共感の寄せ方とは                                       二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

  • 韓流シネマの散歩道 第3回 同情や共感の寄せ方とは①

    イ・ビョンホン主演のドラマ『遠い路』

  • 韓流シネマの散歩道 第3回 同情や共感の寄せ方とは②

    『あの空にも悲しみが』

  • 二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

    たむら・としゆき 1941年京都生まれ。一橋大学卒。東京都立大学経済学部教授、二松学舎大学教授などを経て現在は二松学舎大学客員教授。

◆貧しかったころの韓国◆

 ヨン様ばかりを取りあげていると、他の男優支持者からお叱りを受けそうだ。

 イ・ビョンホンもまた、映画にTVドラマにと大活躍してきた俳優だが、ここではドラマ『遠い路』(2001年)に注目しておきたい。これがきっかけで彼のファンに、そして韓流ファンになったという日本人も少なくない。

 このドラマは主人公の彼が、自身の育った孤児院に大量のクリスマス・プレゼントを郵送しようとするところから始まる。女性郵便局員(パク・チミ)に、自分を捨てた恋人の代役として田舎の父親に会ってほしいと頼まれ、これを引き受ける。父親は娘婿として彼を信じ切り、親の愛情を知らない彼も偽物という立場を忘れて父親に尽くす。この二人の抑えた名演技が光る温かいドラマである。


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