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2017/04/21

<韓国文化>古代の韓日交流を知る

  • 古代の韓日交流を知る

    熨斗、柏原市指定文化財、古墳時代中期(5世紀) 高井田山古墳    柏原市立歴史資料館蔵 全長46.5㌢

 大阪歴史博物館の特別展「渡来人いずこより」や高麗美術館の「上田正昭と高麗美術館」展など、韓日関係を知る美術展が各地で開催。

 特別展「渡来人いずこより」は、大阪歴史博物館(大阪市中央区)で開催。朝鮮半島と日本列島との間の交流は古くからあり、朝鮮半島の文化は日本文化の形成にも多くの影響を与えた。その文化を伝える役目を果たしたのは「渡来人」と呼ばれる人たちで、その足あとは朝鮮半島系の文物からたどることができる。

 ただ、「渡来人」の出身地である朝鮮半島にはそれぞれの地域に個性的な文化があり、特に三国時代(4~7世紀)には高句麗や新羅、百済といった国々が分かれて存在するため、それらをひと括りにはできない。よってその文物が「いずこより」もたらされたのかということを明確にすることにより、渡来文化の具体像、さらには細かな歴史的背景も見える。

 同展では、近畿地方やその周辺地域で出土した朝鮮半島に関係する資料で展示を構成しながら、渡来人の「出身地」にスポットを当てて、考古学の最新成果を生かした展示を通じて、当時の具体的な交流像をビジュアルに描く。

 「熨斗(のし)」(写真)は一見、フライパンのような形だが、古代のアイロンである。皿のようなところで火を焚き、熱くなった裏面を布に当て、皺を伸ばす。非常によく似たものが、百済の武寧王陵(韓国忠清南道公州市)で出土しており、百済と日本の関係を検討するのに欠かせない資料だ。


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