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2020/07/03

<韓国文化>韓流シネマの散歩道 支配権力層と対局にある人々を描く  第53回二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

  • 韓流シネマの散歩道 支配権力層と対局にある人々を描く  第53回二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

     跡継ぎを産めずに王家を追い出された主人公が、両班たちに復讐する姿を描いた映画『於宇同』

◆温かい眼差しで社会を見つめた監督たち◆


 韓国通を自認する武藤正敏・元駐韓大使がかつて、韓流ブームに触れ、日本映画の解禁が韓流の質的向上を促したと、見当違いも甚だしい珍説を披歴していた(『日韓対立の真相』、悟空出版)。

 この点につき私は、手前味噌も程々に、と指摘した(『二松学舎創立140周年記念論文集』)。

 日本の大衆文化が解禁となるずっと以前の1960年代に、韓国映画は第1期の黄金時代を迎えていた。


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