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2014/10/17

<トピックス>私の日韓経済比較論 第45回 法人減税と税収増を両立させた韓国                                                    大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

  • 私の日韓経済比較論 第45回 法人減税と税収増を両立させた韓国

    韓国企業からの税収はアップしている

◆構造改革により企業収益が増加◆

 日本では、6月24日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014について」で、「数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す」と明記され、法人税引き下げへ向けて大きく動き出した。他方、韓国の法人実効税率(国と地方を合わせた数値)は、24・2%であり、既に日本が目指している水準にある。

 韓国の法人実効税率は1982年には防衛税を含めると50%を超えていたが、その後9回の引き下げを経て、2009年に現在の水準となった。つまり30年足らずで法人実効税率が25%以上低下した。

 1982年には法人税率(国税)が2%引き下げられたが、これは同時に行われた減免措置の縮小による急激な税負担増を避ける目的があった。しかし、それ以降の税率引き下げについては、グローバル化の流れのなかで企業の競争力強化が主な目的とされている。

 OECDの平均値が韓国の税率に近づく度、法人税率引き下げを行ったと考えられる。これは韓国の法人実効税率とOECDの同加盟国平均値を比較すれば一目瞭然である。


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