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2015/06/12

<トピックス>明治期外交官・若松兎三郎と韓国:共生のための苦悩 第11回                                   大東文化大学 永野 慎一郎 名誉教授

◆全羅南道各地に陸地綿採種圃、韓国の風土に親しみ繁殖を図る◆

 若松兎三郎領事は、陸地綿栽培状況を視察するために訪韓中の綿花栽培協会理事萩野芳蔵衆議院議員および安藤廣太郎技師と、韓国農村視察中に木浦に滞在していた農商務省農事試験場長古在由直と共に上京した。

 まず韓国政府財政顧問目加田種太郎と面会した。陸地綿試作の成績を示しながら、陸地綿が将来有望な産業として発展する可能性について説明した。若松領事は陸地綿栽培を奨励する方法として全羅南道各地に陸地綿採種圃を設置する必要がある。韓国政府が積極的に取り組む必要があることを提議し、そのために必要な経費の支弁を要望した。それから日本公使館臨時代理公使萩原守一を訪問し、公使から日本政府に綿作指導のための技師を韓国に派遣されることを建議した。


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