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2015/07/03

<トピックス>切手に見るソウルと韓国 第57回 ユニバーシアード                                                   郵便学者 内藤 陽介 氏

  • 郵便学者 内藤 陽介 氏

    ないとう・ようすけ 1967年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。日本文芸家協会会員、フジインターナショナルミント株式会社・顧問。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を研究。

  • 切手に見るソウルと韓国 第57回 ユニバーシアード

    光州ユニバーシアード記念切手

◆韓国で夏と冬3度目の開催、光州をアジア文化中心都市に◆

 本紙の発行日である3日から、光州で夏季ユニバーシアードがスタートする。

 〝学生のためのオリンピック〟とも称されるユニバーシアードのルーツは、1923年にパリで行われた国際学生競技会にさかのぼる。国際学生競技会は、1939年のウィーン大会まで10回にわたりヨーロッパ各地で開催されたが、第二次世界大戦の勃発により中断を余儀なくされた。

 第二次世界大戦後、国際学生競技会は復活するが、折からの東西冷戦のため、西側が国際学生スポーツ週間を、東側が青年学生スポーツ大会を、それぞれ別個に開催するという状況がしばらく続いていた。

 しかし、1950年代半ばの東西の緊張緩和の流れの中で、1957年、創立50周年を迎えたフランス学生スポーツ連合が東西に分裂していた学生スポーツ組織の統合を提唱。これを受けて、国際大学スポーツ連盟(FISU)が発足し、同年、パリで開催された国際学生スポーツ週間は東西両陣営の合同で行われた。

 この実績を元に、1959年のトリノ大会から東西合同の〝ユニバーシアード〟の開催が始まり、以後、2年に一度、夏季ならびに冬季の大会が交互に開催されている。

 韓国での開催は、1997年の茂朱・全州大会(冬季大会)が最初で、夏季大会としては2003年の大邱大会に次いで、今回の光州大会が2度目(冬季を含めると3度目)の開催となる。

 開催に先立ち、事前の周知宣伝を兼ねて、6月23日に発行された記念切手は4種あり、大会マスコットのヌリビ(光の天使をイメージしたものだという)を大きく取り上げたものが1種、開催地・光州の名所と選手を組み合わせたものが3種という構成になっている。


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