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2021/04/23

<トピックス>経済・経営コラム 第80回 脱炭素に向かう日韓企業、現状と課題㊤                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

  • 経済・経営コラム 第80回 脱炭素に向かう日韓企業、現状と課題㊤                                                        西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

    はやし・ひろしげ 1940年韓国生まれ。同志社大学法学部卒。インディアナ大学経営大学院MBA(経営学修士)課程修了。法政大学大学院経営学博士課程満了。長年、外資系マーケティング・コンサルティング会社に従事。滋賀大学、同志社大学大学院ビジネス研究科教授を経て中国・西安交通大学管理大学院客員教授。

◆「危機」を正しく管理し、「機会」見出そう◆

 私たちは今、とんでもない危機の中にいる。グローバル危機ともいわれる。

 危機の第一は気候変動だ。最大の原因は、経済先進国の住民である私たちの豊かな暮らしそのものにある。豊かで快適な住環境や便利なICT社会を支えている化石エネルギーの過剰燃焼が温暖化ガスを大量に排出して(その8割がCO2=二酸化炭素)、気温の上昇という気候変動をもたらした。

 地球規模で水不足・土地の乾燥・砂漠化が加速している。危機をよそに、先進国に住む私たちの肉・野菜・果物・嗜好飲料の消費は拡大している一方で、飽食・飽飲して食料の2~3割を捨てている。後進途上国では深刻な食料と飲料水不足に見舞われつつ爆発的に人口が増えている。


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